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主人公の親友はビデオ屋で、元恋人は映画館で、働いていて、両人ともかなりの映画マニアである。
とくに元恋人は間違い電話のときに電話口から聞こえてきたテレビの音で、主人公が見ている番組が映画の「メトロポリス」であることを特定し、都市が水没する場面なのを言い当てる。
今時の大学生が1920年代のサイレント映画の音を憶えているなんて、ものすごいことである。
私など足元にも及ばない映画好きであることが伝わって来るのだ。おそらく作者が半端ない映画好きで、その思いをこの作品の中に込めたのだろう。
「燃えよドラゴン」のセリフは有名でよく聞くように思うが、親友がこれを見ろと差し出した「太陽を盗んだ男」のDVDには「おおっ」と思った。(昔、学園祭で見てハマったので)
猫に先立って世界から消えるものが三つある。電話、映画、時計である。
電話と時計がなくなってしまったら、世界は大混乱に陥ってしまうはずだが、その部分はまったく画かれていないのだ。あくまでも主人公と周りの人たちとの関係がどう変化するのか、興味はそこだけなのだ。
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