陽炎座
2024-02-28


鈴木清順監督の作品を最初に見たのは中高生の頃、夕方のサンテレビで見た河内カルメンだった。細かいことは忘れてしまったが、変な映画だったという印象は強くあり、ゆえに記憶に引っかかっているのだ。
もう一本は深夜放送で見たツィゴイネルワイゼン。
陽炎座は3本目の鑑賞である。現実と空想の境界線がなく、難解である。理解に苦しむ表現もある。一つ挙げるならば金沢行き特急列車の一等客室の中、揺れる電車の中で足元がフラつく松崎に対して微動だにせず立っていられる玉脇、とか。他にも例を出すとキリがないが。人間が現実の世界ではありえない動きをしているのでリアリズムからはほど遠い。特に歌舞伎の部分の歌詞と演舞がわかりにくく、当惑することこのうえない。
これは映画で夢の世界なのだと割り切れる脳みそと、柔軟な感性があれば、もしかしたら楽しめるかもしれません。映像が耽美である。
[映画]

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